11月15日 ~小さな命~

2023年11月15日

私は 二人の老猫と一緒に住んでいる。

彼女たちとの出会いはすでに前に書いたこともある。

猫は人の5倍のスピードで猫生を駆け抜ける生き物であるらしい。

なので いま彼女たちは人間で年齢では90歳である。

 

覚悟はしていた

別れは突然にやってくると

13日の深夜から体調が急変し 食事もとれなくなった・・・

いつも一緒に布団で寝ていたが その場所まで自力では動けない。

抱きかかえて布団に連れてきて 一晩中 布団の中で抱きしめていた

朝が来るまで 冷えていく猫の手を握りしめ ただただ お礼の言葉を彼女に伝えていた

『ありがとう 一緒に18年いてくれて ほんと楽しかったよ。』と

お礼の言葉を何十回伝えただろうか・・・

 

翌14日 通院中の動物病院の先生も覚悟をするようにと言われて家に戻った。

小さくなった彼女を温かい猫やぐらにいれて見守っている中・・・

お昼2時、彼女は旅立った。

その時は不思議と悲しい気持ちはあるのに 涙は流れなかった。

 

昨夜 一緒に寝ている最中に 急に布団から足を引きずりフラフラながら出ていった

私はあわてて『どうした・・』と抱きしめたところ

彼女は布団の中では排便してはならないと 体を引きずってでも外に出ていったようである

そんなこともあり 余計に体が汚れているようで とにかく本来のきれい好きの彼女の姿に戻してあげた

傍にはきれいな花を飾ってあげた

 

今日15日 荼毘にふした

商売もあるが それ以上に自分の日記として人目もはばからず書いているこの文に やはり彼女との別れを書き込もうと・・・

キーボードに指を進めると・・・

途端に涙があふれてきた

ほんと よかった 涙が止まらない

止めようがない・・・止まらなくていい

 

 

始まりがあれば終わりがある

『生きる』目的は生きていくことであると 理解できるような年にもなった。

猫とは言え 彼女の生き方はまぎれもなく私の人生の礎の一つであった。

 

『香野子』 享年18歳 雑種でいつも一緒にいてくれる 良き相棒でもあり 娘でもあった。


いつも言ってくれている気がしている・・・

『父さん 今日もがんばってな!』と

 

 

爺だって涙は時には必要・・・

 

合掌